設営129日目
今回はHONDAの懐かしきミニアメリカン、JAZZのカスタム&レストアにチャレンジしました。この車体は以前、フロントフォークのシール&オイル変えなどを行ったのですが、今回は思い切って色々やっちゃう事に!今回は、初めての試みである“スポークの張替え”にもチャレンジしちゃいますよ!
カスタム&レストアの項目は次の通り!
・ボアアップ(49cc⇒75cc)
・シート表皮の張替え
・スポーク張替え
・タイヤ交換
ボアアップ

今回のテーマはボアアップ!
様々なメーカーからボアアップキットが販売されていることから、mini4(ミッション付きの50ccから125ccまでの小排気量4ストローク車両)を弄った事のある方は、ボアアップカスタムを行った事がある方も多いのではないでしょうか?
私自身も何度か経験があった事から、“この作業は余裕!”と考えていたのですが、作業に入ってみると思わぬ落とし穴が・・・
ちなみに、今回使用したボアアップキットは、キタコのLIGHT ボアアップキット 75ccです。
50cc原付一種の生産終了が宣言される中、変わらず販売を続けてくれている事はすごく嬉しいですよね!
は・・・外れない(-_-;)

経験がある事だけに、エンジンの構造は“モンキー”と同じだ!と思いながら、エンジンオイルを抜いて、クランクケースカバーを外すのに邪魔になるステップを外し、クランクシャフトの位置(回転位置)合わせを行い、カムスプロケットを外し・・・といった感じでサクサクと作業を進めていったのだ!
と、ここで、カムスプロケットの取り付け構造がモンキーとちょっと違う事に気づくが、単に年代の違いによるものだろうとスルーした。
問題はココからだった!
本来は、シリンダーヘッドカバーを止めているナットと、ヘッドとシリンダーを止めているボルト、そしてシリンダーとクランクケースを止めているボルトをそれぞれ取り外す事で、ヘッドとシリンダーを取り外す事ができるのである。
しかし今回は、ヘッドまではすんなり外せたのだが、シリンダー外れない!
いや、外れないという表現が正しいのか?と思うくらいにビクともしないのである!
確かにガスケットが固着していて外れにくくなる事はあるのだが、プラハンマーでコツコツやれば動く気配はあるはずなのだが・・・
今回は、クランクケースと一体物なんじゃないかと疑いたくなるほどの固着ぶりで、まったく動かなかったのだ!色んな角度からコンコンやってみたのだが、まったくダメ・・・
ここで、途方にくれながらも、どうにかコレを外す方法は無いだろうかと、昔何かの動画で見た方法を思い出し、実践してみる事にした!
カッターの刃

その方法とは、ガスケットが入っている部分にカッターを差し込み、無理やり固着を剥がす!というものだ!
しかし、実際にやろうとしてみたものの、今回はカッターの刃すら入る感じがしない(・・;)
色々な角度から刃を当てて押し引きしてみたところ・・・
1箇所だけ、ほんの少し刃が食い込んだ部分があった!
そこに刃をあてがい、刃の背中の方を金槌で叩いて刃を叩き込むという力技を実行したのだ!
ちなみにココで使うハンマーは、プラハンではダメだ!
衝撃がうまく刃に伝わらず、ガスケットに刃を喰い込ます事ができないからだ!
そして、刃が喰い込んでいる部分は僅かなので、金槌を当てる角度を間違えると、刃が折れてしまって最悪な事になる!
このため、慎重に、かつ的確に衝撃を刃に与えるように金槌を当てていく。
相当時間をかけながら、徐々に刃を喰い込ませていくと・・・
刃を入れられそうな隙間が少しづつできてきます。
ここまで行ったら、勝ち!
隙間が空いたところに刃を当てながら、色々な方向から刃を喰い込ませていけば良いのだ!
すると・・・メキッといった感じでシリンダーが外れた(^^)/
ピストン装着

シリンダーが外れたら、接合部にこびりついたガスケットを剥がし、面を磨くといった作業が待っている!これを怠ると、オイル滲み等の原因となり、再度シリンダーを取り外さなければならなくなります!このため、この作業は丁寧に行う事をお勧めします!
よって、この作業は、ガスケットが固着していると、思っているよりも時間がかかり、嫌になる作業なのである。
シリンダー取り付け面の面出し作業が終了したら、コンロッドから古いピストンを取り外し、新しいピストンにピストンリングを取付けます。そして、ピストンリングを取付けた新しいピストンをコンロッドに取付けます!
今回、ここでもやらかしました!
古いピストンは、写真のようにピストンがスタッドボルトの下側に来る位置で取り外す事ができたのです。このため、何の疑いも無く、同じ状態で新しいピストンを取付けたのだ!
と、こ、ろ、が、・・・
新しいピストンの直径は、スタッドボルトの配置間隔(ピッチ)よりも大きかったのだ!
このため、ピストンがスタッドボルトに当たってしまい、ピストンをシリンダーの配置位置に持っていく事ができない(/ω\)
仕方ないので、もう一度ピストンを取り外し、今度はスタッドボルトに囲まれた空間で、ピストンの取り付けを行うこととした。

取り外したシリンダー&ピストン(左)と、取り付けるシリンダー&ピストン(右)。49ccから75ccって、僅か25ccの違いだけど、元の排気量からすると、排気量が1.5倍になっているわけだから、見た目は大きく違いますね!
ハイカム

ボアアップを行うと、ピストン径が大きくなのでトルクは増えるのですが、それだけだと回転数が落ちてしまい、最高速度は上げづらくなってしまいます(最高速度はスプロケットの減速比によって変わる)。
このため、ボアアップを行う場合には、併せてカムをハイカムに変える事をお勧めします。
ホンダのミニ4の場合、カムの交換は、シリンダーヘッドに設けられたロッカーアームの位置決めナットを緩め、タペットとロッカーアームの隙間を広げてやるだけで、カムを抜き出す事ができるので、交換が楽です。カムの交換後は、隙間ゲージを使って、ロッカーアームとタペットの隙間を適切に調整してナットを締め込めばOKです。
2つのカムを比較してみると、大した差は無いようにも見えるのですが、この差が大きいようです。
カムチェーン
ここまでくれば、後はカムスプロケットにカムチェーンをかけてカムスプロケットを固定すれば終了です!しかし、ここでどうしても問題になるのが、“なんとなくカムスプロケットのアイマークが合わないような気がする”という点です。
本来、クランクシャフトの回転位置のアイマークとカムスプロケットのアイマークが共に一致するはずなのですが、微妙にズレてしまっているように見えるのです!
そんな場合は、カムチェーンのテンションを緩めたりすることで、カムスプロケットの回転位置を微調整できる場合があります。
カムスプロケットを取付けたら、あとは、外したカバー類を元に戻して完成です!
今回は、ここまで!
次回は、シート表皮の張替えについて説明したいと思います(^^)/





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