設営32日目
5年以上放置されていた妻のママ友のバイク(バリオス2)、外観は比較的綺麗に見えたのだが、開けてみたら予想よりもヒドイ状況で、タンクはサビサビ、キャブは腐ったガソリンのカスが詰まりまくり・・・本当にコレ直るのかよと感じた次第であった(;´・ω・)
タンクのサビ取り、燃料センサーの再生、キャブの取り外しについてはコチラ↓
とりあえず外せるものを外して清掃
キャブの構造は、大まかにいうと、フロート室に一次貯留されるガソリンを、負圧によって吸い出して、フロート室とダイヤフラムのある部屋との間に設けられた通路で混合ガスを作成してエンジンに送り込むものである。
この時、ガソリンを通路に吸い出す役割を担うのがジェットと呼ばれる部品で、小さな穴の開いたストローのような構造をしている。
このため、ジェットの穴が詰まってしまうとガソリンを吸い出せなくなってしまう。
[なぜジェット類は真鍮製なの?]
ジェット類は、銅と亜鉛の合金である真鍮と呼ばれる金属により構成されている。
真鍮は、加工性や耐食性に優れているため、薬品系の精密部品として使用される事が多いが、酸性の薬物に対する耐性はさほど高く無い。
また、銅の合金であることより、酸化しやすく、時間と共に黒ずんできてしまうことが多い。
へー、ジェット類が真鍮でできているのにはそんな理由があったんだな!
確かに、ジェット類を鉄で作った場合には、詰まったりサビたりした際に、磨いて再生する事は難しそうだものな!
ちなみにステンレスもサビには強いけど、真鍮に比べて硬く、加工性が悪い。
フロートやジェット類を外した状態は、こんな感じ。
今回、バルブシートと呼ばれるガソリンをフロート室内に引き込む部分を止めているネジが1本外れなかったため、バルブシートの取り外しはやめておいた。
(無理やりネジを回す事は可能だったが、取り外すとOリングの交換を行わなければならなくなる事に加え、バルブシートの奥に詰まりは無かったので、取り外すのを避けた)
面倒だからやめたんじゃねぇのかよ!
そ、その見解も否定しきれないところはある( *´艸`)
[ジェット類の清掃]
ジェット類には、穴の大きさの違いなどにより番号がついており、キャブが複数ある場合には、場所によって異なる番号の物が使われている場合もある(大抵はすべて同じ)。
このため、キャブには番号をつけ、外した部品やジェット類は、同じ番号をつけた小袋に入れておいた。
小袋なんてケチな事言ってないで大入り袋にすればいいじゃねぇか!
そういう問題じゃないんだよ(;´・ω・)
外したジェット類を入れた小袋には、キャブレタークリーナーという強力な洗浄剤を入れて表面に付着した汚れを取り除く。
キャブ本体は、ダイヤフラムが配置されている部屋側も開放して部品を取り除き、キャブクリーナーとパーツクリーナー、及びブラシを使って洗浄した。
キャブに形成されている穴は、殆どが別の穴に繋がっている。
このため、1つの穴からクリーナーを吹き入れた際、別の穴からクリーナーが出て来ない場合には、何等かの詰まりがあると判定することができる。
穴の貫通には、クリーナーと極細の針金(100均などで売っている0.3mm位のステンレス針金で良い)を交互に用い、クリーナーを吹いて汚れをふやかし、針金で汚れを突くという行為を繰り返して徐々進行範囲を広げていく事で対応した。
クソめんどくさいな( ゚Д゚)!
機械にうとい人は、そんな面倒な事やってるなんて知らないからねぇ((+_+))
キャブクリーナーに漬けこんだジェット類はこんな感じ。
表面の汚れは落ちたのだが、穴の詰まりは解消されていないところもある。
こうした詰まりには、キャブ本体と同様に、クリーナーと針金を利用する。
最終的に、ジェットにクリーナーを吹き入れた際、ジェットの穴から勢い良くクリーナーが噴出すればOKだ!
ちなみに、穴詰まりが解消したジェット類を磨くとこうなる!
綺麗だな!
でも、この磨きって意味なくね?
良いんだよ!
目に見えて綺麗になるとテンション上がるから!
[フロートバルブの交換]
キャブは、フロート室にガソリンが溜まると、浮きとなるフロートが浮き上がり、これによりフロートバルブと呼ばれる栓が押し下げられ、バルブシートの穴を塞ぐことで、ガソリンが一定以上入り込まないように構成されている。
今回は、フロートバルブの後端にある出っ張り(黒い三角形の反対側に位置する部分:2mm程度)が固着して動かない状態になっていた。
この出っ張りはバネでバルブシート本体から押し出されており、フロートバルブ本体側に押し込む事ができるように構成されている。
バルブシートを塞ぐだけなら、出っ張りが動かない状態でも機能する。
しかしながら、バイクは揺れる乗り物である。
バイクが揺れると、フロート室内のガソリンの油面も揺れる。
フロートバルブの突起は、このように油面が揺れる事でフロートが暴れた場合であっても、フロートバルブを浮き上がらせずにダンピングし、バルブシートの穴を塞いだ状態を維持することができるようにする機能を持つのである。
あんな小さな部品が良い仕事するんだな!( ゚Д゚)
このため、フロートバルブの突起が動かないというのは、よろしくない(/・ω・)/
よって、今回はフロートバルブの交換を行った。
こうして部品を外す、外した部品やキャブ本体を洗浄するのには、相当な時間を要する。
次回は、キャブ編2(4連キャブを組み付ける)を予定しています。
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