設営30日目
5年以上放置されていた妻のママ友のバイク(バリオス2)、外観は比較的綺麗に見えたのだが、開けてみたら予想よりもヒドイ状況だった・・・((+_+))
とりあえずタンクのサビ取りと、付属部品の再生、交換を行い、タンクは使えるようになった。
タンクに関するレストア内容についてはコチラ↓をご覧ください(^^)/
キャブレターを取り外すよ

[エアクリーナーボックスの取り外し]
キャブレター(以下、キャブ)をオーバーホールするには、車体からキャブを取り外さなければならない。

その説明要る?(; ・`д・´)
大抵のバイクの場合、キャブとタンクの間に、エアクリーナーボックスという燃料系に送り込む外気を清浄化するためのフィルターが入った箱がある。
このため、キャブを取り外すには、まずエアクリーナーボックスを取り外さなければならない。

エアクリーナーボックスは、ボックスのフタのボルトを取り外してフタを外した後、キャブと接続するために設けられたボックス本体のボルトを数本取り外し、上側に引っ張れば取り外すことができる。

気をつける点としては、エアクリーナーボックスの下側に接続されているホースのうちの一本がクリップでとまっているため、先にクリップをずらしてやった方が良いという点だ。

気をつける点は、ボックス本体引っ張る前に言ってくれよ!( ゚Д゚)
[キャブの取り外し]
キャブの取り外しは、エアクリーナーボックスに比べて少々やっかいだ。
まず、特殊工具として、40cm程度の長さのプラスドライバーが必要となる。

普通、そんな長いドライバー持ってないだろ( ゚Д゚)

一家に1本くらいあるんじゃない?

ねぇよ!
それどころか日本人の8割は一生使う機会がねぇよ!
キャブとエンジン本体とは、インシュレーターと呼ばれる樹脂の筒で接続されているのだが、長いドライバーは、この樹脂の筒を締め付けているバンドを緩めたり締めたりするために必要となるのだ。
なぜ、長いドライバーが必要かというと、キャブが4つ横並びに配置されており、締め付けバンドのネジに対しては、車体の片側からしかアクセスすることができないからである。
つまり、キャブを4つ並べた幅程度の長さを持つドライバーじゃなければ届かないのである。
次に、ワイヤー類の取り外しがある。
バリオス2の場合、キャブに接続されているワイヤーは、アクセル系のワイヤーが2本と、チョークワイヤーが1本、その他に、アクセル開度を検出するセンサーが接続されている。


アクセル系のワイヤーは、ワイヤーの根本であるアクセル側のスイッチボックスを分解し、こちら側の係止部(タイコ)を外してやることで、キャブ側のワイヤーを取り外す事が可能となる。

チョークワイヤーは、キャブに止めてあるネジを1本外せばそのまま取り外す事が可能である。取り外したネジを無くさないように、金具に養生テープなどで貼り付けておくと良いだろう。ちなみにチョークワイヤーというのは、エンジン始動時に燃料の濃度と空気の取り込み量を変えてやることで、エンジンの始動性を向上させてやるための機能に用いられるワイヤーである。
アクセル開度センサーは、途中にあるカプラーを外してやる事で車体から取り外す事ができる。キャブ側のセンサー本体は、トルクスネジという星型のネジでとまっているため、コレを取り外す場合には特殊工具が必要となる。
これらのワイヤー類を取り外し、インシュレーターのバンドを緩めたら、あとはキャブ本体を前後に倒すように力を加えながら上に持ち上げる事で、キャブを取り外すことができる。
ちなみに、キャブとエアクリーナーボックスの接続部にはゴム状のパッキン(ガスケット)があるのだが、これは再利用するために、キャブ毎に番号付けした小袋に入れて、クレポリメイト(呉工業)のような、樹脂部品の艶出し保護剤をぶっかけて保管しおくようにすると良い。経年劣化で硬くなったガスケットを柔らかくする事ができるからである。
なお、新品を購入した方が良い事は言うまでもない。

画像上側を向いている開口部に配置されている「バタフライ」と呼ばれるバルブも固着しており、アクセルをひねる事が出来ない状態だった。
キャブのフロート室を開けるよ
一般的なキャブは、フロート室と呼ばれるガソリンを一時的に溜める部屋と、ダイヤフラムと呼ばれるゴム膜が配置され、気圧変化により機器を作動させる部屋、そして二つの部屋の間に設けられてガソリンと空気を混合し、エンジンに送り込むための通路とから構成される。
キャブのトラブルで最も多いのは、フロート室と呼ばれる室内の詰まりによるものである。
フロート室は、それぞれ4つのネジにより固定されており、4連キャブの場合には、カバーの開閉だけで16個のネジを外さなければならい。

メンドクセーな( ゚Д゚)
さらに面倒な事に、このネジ、鉄や真鍮などの柔らかい金属でできている事が多い癖に、結構な力で締付られている。
このため、サイズの合わないドライバーなどで回そうとするとネジが潰れ、いわゆるナメた状態となってしまう事が多い。
ちなみに、そんなヤワなネジ、ステンレス製の硬いネジに替えちゃえば良いじゃないか!なんて事も思うのだが、長期的に見た場合、コレは止めておいた方が良いと思う。
理由としては、キャブのボディ(本体)というのは、アルミ製であることが多い。
アルミとステンレスとでは、金属としての電位差が大きいのである。このため、長期的に接触状態が続くと、両者の接触部に電蝕と呼ばれる腐食が生じてしまい、キャブのボディがボロボロになってしまう可能性があるからだ。

どうせ自分のじゃないんだからかまうこたぁねぇだろ!
ねじ1本1000円くらいでボッタくって変えておいてやっても良いんじゃね?

そんな事言っちゃダメだよ?
さて、いよいよフロート室のフタを開けてみると・・・・
あたりには悪臭が立ち込めた・・・

くっさー( ゚Д゚)
ガソリンにお酢と醤油を交ぜて酒で割ったようなニオイだな!

いやそのニオイがわからないから!

ガソリンが蒸発し、粘着性のある物質が内部に付着して悪臭を放っていたのである。
一部、鉄製のネジは完全にサビてしまっており、ガソリンを送るためのジェットと呼ばれるパーツ類は全ての穴がふさがってしまっていた。

キャブにより燃料を送るタイプのエンジンでは、長期保管する際にはフロート室の下部にあるドレンという部分から内部のガソリンを抜いておくようにすることで、ここまでヒドイ事になる事は防ぐ事ができるのであるが、今回の場合、放置状態がひどかったために、ドレンまでもが詰まって機能しなくなっていた。
こんな状態のキャブが本当に直るのかよ・・・と思った瞬間である。

結果としては直っていたよな!?

そ、そうだけど、まだソレは話しちゃダメなんだよ!(;´・ω・)
次回は、キャブ編2(ジェット類と本体の清掃)を予定しています。
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